レゴマインドストームは世界中の教育現場で活用されるレゴブロック商品であり、プログラミングやSTEAM学習を行えます。

しかし、レゴブロックを教材として使用するイメージが湧かないと、実際に導入して効果があるか疑問に思う人もいるでしょう。

この記事では、レゴマインドストームについて、学習教材としての特徴や導入方法などをまとめました。

この記事でわかること
  • レゴマインドストームの基本情報
  • 学習内容やプログラミング方法
  • 商品モデルと特徴
  • 活用されるシーン
  • 実際に導入する際の選び方と購入方法

レゴブロックの学習教材を自身や子どもの学習に取り入れたい人は、参考にしてください。

レゴマインドストームはレゴブロックと合わせてプログラミングができる

レゴマインドストームはレゴブロックにモーターやセンサーなどの電子部品を組み込んで、ロボットや機械を動かせます。

おもちゃとして親しまれるレゴブロックで楽しみながら学習できる点から、世界各国の教育現場で活用される商品です。

特に組み立てながら試行錯誤する課程は、以下の5つの分野を総合的に学習するSTEAM教育と相性が良いとされています。

STEAMレゴマインドストームで該当する例
Science:科学モーターやセンサーなどの仕組みや動作を理解する能力
Technology:技術組み立てやプログラミングを実践できる能力
Engineering:工学、ものづくり設計図の読み取りやロボットを組み立てる能力
Arts:芸術、リベラルアーツレゴブロックによる組み立ての自由さから、見た目や使い勝手を意識する創造性
Mathematics:数学組み立てやプログラミングの家庭に出てくる数値の理解

上記の組み立てやプログラミングを行うなかで、論理的思考力問題解決能力も自然に育っていきます。

レゴマインドストームには2種類のプログラミング方法がある

レゴマインドストームには2種類のプログラミング方法がある

レゴマインドストームで行うプログラミングは、以下の2種類の方法で行えます。

  1. LabViewベースのアイコン型プログラミング:画面上のアイコンをドラッグ&ドロップでプログラミングできる
  2. Scratchベースブロック型プログラミング:画面上のブロックを組み上げていく形でプログラミングできる

どちらも視覚的に操作できるため、初心者でも比較的簡単にプログラミングが組めます

レゴマインドストームで対応するプログラミング言語は、以下のとおりです。

  • Python
  • C
  • Java
  • C#
  • mRub
  • Virtual Robotics Toolkit

ただし、商品発売から月日が経過しているため、上記のプログラミング言語における最新の状態に対応できない場合があります。

レゴマインドストームはEV3の後継が現行商品である

レゴマインドストームの主要モデルは、以下のとおりです。

  • RCX:1998年発売
  • レゴマインドストームNXT:2006年発売
  • レゴマインドストームNXT 2.0:2009年発売
  • 教育版レゴマインドストームEV3:2013年発売
  • レゴマインドストームロボットキット:2020年発売
  • レゴエデュケーションSPIKE:2020年発売

レゴマインドストームの名称が付く商品は、2020年発売のロボットキットを最後に止まっています。

レゴエデュケーションSPIKEは名称が変わっていますが、EV3の後継にあたるレゴエデュケーションの現行商品です。

プログラミングやSTEAM教育の学習教材として購入する場合、基本的にEV3レゴエデュケーションSPIKEから選びます。

レゴマインドストームEV3は高度なプログラミングに対応できる

教育版レゴマインドストームEV3の基本情報は、以下のとおりです。

参考価格基本セット:31,240円~
対象年齢中学生・高校生
レッスン数30以上
ピース数541
付属品インテリジェントブロックEV3(EV3本体)×1
EV3 インタラクティブサーボモーターM×1
EV3 インタラクティブサーボモーターL×2
EV3 カラーセンサー×1
EV3 超音波センサー×1
EV3 タッチセンサー×2
EV3 ジャイロセンサー×1
USBケーブル
コネクターケーブル
組立説明書
充電式バッテリー
専用ケース
対応アプリ教育版レゴ®マインドストーム®EV3アプリ
2026年7月31日まで利用可能

※2025年7月時点

PythonとJavaScriptといった複数のプログラミング言語に対応しているため、複雑な動きやタスク制御など高度な操作が行えます

基本セットのみでもモーターやセンサーを利用した制御が行えて、別売りのパーツと合わせると本格的なロボットも組み上げられます。

対応する専用アプリは、2026年7月31日まで利用できる予定です。

レゴエデュケーションSPIKEは幅広い年齢層に対応する

レゴエデュケーションSPIKEには、ベーシックセットプライムセットの2種類があります。

セットベーシックセットプライムセット
参考価格基本セット:50,700円~基本セット:69,000円~
対象年齢小学校低学年~中学年小学校高学年~中高校
レッスン数合計100時間以上30以上
合計50時間以上
ピース数449528
付属品スモールハブ
カラーセンサ
3×3 カラー・ライトマトリクス
Sモーター×2個
補充部品パック
USBケーブル
トレイ付収納ケース
レゴ®テクニック ラージハブR(6軸ジャイロセンサー内蔵)
レゴテクニック Mアンギュラーモーター×2
レゴテクニック Lアンギュラーモーター×1
レゴテクニック 距離センサー×1
レゴテクニック カラーセンサー×1
レゴテクニック フォースセンサー×1
レゴテクニック マイクロUSBコネクタケーブル
レゴテクニック ラージハブバッテリー
予備パーツセット×1
パーツ仕分け用シール×1
パーツ仕分けトレイ
収納ケース
対応アプリレゴ® エデュケーション
SPIKE™ アプリ
レゴ® エデュケーション
SPIKE™ アプリ

※2025年7月時点

中高生以上向けだったレゴマインドストームEV3に対して、SPIKEは小学校低学年から高校生までと幅広い年齢に対応します。

ベーシックセットが基盤になっていて、拡張パーツを追加購入した場合はベーシックのパーツでプライムの学習も行えます。

レゴエデュケーションSPIKEのプログラミング環境は、以下のとおりです。

  • Pythonプログラミング:環境構築なしでプログラミング制御できる
  • ワードブロック型プログラミング:ビジュアルアイコンを表示して組み上げる

EV3にも搭載されていた直感的なプログラミング操作を残しつつ、AI分野で使用される Python言語制御にも対応しています。

レゴマインドストームは日本の教育現場や家庭学習に使用されている

レゴマインドストームは日本の教育現場や家庭学習に使用されている

レゴマインドストームは日本の教育現場においても、以下のような授業で取り入れられた実例があります。

小学校理科:ふりこのきまり
算数:多角形と円
総合的な学習の時間:ロボット学習を通じた科学的な思考力と表現力、ICT活用能力の育成
中学校技術・家庭科:エネルギー変換、プログラミングによる計測、制御
理科:運動とエネルギー、科学技術
数学:関数、資料の活用、グラフ分析
総合的な学習の時間:教科書の枠を超えた横断的、総合的な学習、ロボットを使った探求的な学習
課外活動:科学クラブやパソコン部等への導入

高校生やロボコン等の大会や大学の教材でも使用された実績があるため、日本でも身近な教材になりつつあります

教育現場以外ではSTEAM Campusというプログラミング教室が、全国に開講中です。

元々はレゴスクールという名称であり、レゴマインドストームを始めとしたレゴブロックを学習教材にしてSTEAM教育を行います。

商品を個人的に購入した場合は、家庭の学習教材としても使用できます。

レゴマインドストームを導入するメリットと注意点

レゴマインドストームを教育現場や家庭の学習教材として導入するメリットは、以下のとおりです。

  • 遊びの延長線上でSTEAM教育やプログラミング学習ができる
  • 組み立ての容易さから、試行錯誤しながら情報活用力問題解決能力が育てられる
  • 複数のモーターやセンサーを使って、身近な技術をモデル化できる
  • アイコンを使った直感的な操作など、簡単にプログラミングが行える

レゴブロックのモーターなどの電子部品は、現実の電子部品に近い構造であるため、実際の技術をそのまま体験できます。

組み立てやプログラミングも簡単に行えて、大人の学習教材としても十分検討できる商品です。

一方、レゴマインドストームを導入する際は、以下の点に注意する必要があります。

  • 基本セットが3万円台、拡張パーツを含めると5万円前後かかる場合がある
  • 家庭で子どもに与える場合は、大人も説明書を読んでフォローできるようにする
  • レゴブロックというおもちゃベースでも、学習教材としては合わない可能性がある

費用面は一般的なプログラミング教材よりも高く、楽しみながら学習できる内容でも人によって向き不向きがあります。

商品や公式サイトに操作ガイドやカリキュラムは掲載されていますが、子どもでは難しい部分は大人がフォローしましょう。

正規販売店では商品のお得なセットや教材も販売している

正規販売店では商品のお得なセットや教材も販売している

レゴマインドストームの正規販売店における現状の取り扱い状況は、以下のとおりです。

  • レゴマインドストームEV3以前のシリーズ:2022年に販売、生産終了
  • レゴマインドストームEV3:生産終了、販売代理店によっては取り扱いあり
  • レゴマインドストームロボットキット:販売、生産終了
  • レゴエデュケーションSPIKE:販売代理店で販売中

EV3とレゴエデュケーションSPIKE以外は販売と生産が終了しており、EV3も新規生産が終了しています。

取り扱いがある販売店でEV3を購入する場合、基本セットや拡張パーツは在庫限りの取り扱いになるでしょう。

レゴエデュケーションの商品は、以下の国内の販売代理店で購入できます。

  • 株式会社アフレル
  • 株式会社ナリカ
  • 株式会社内田洋行
  • 株式会社ラーニングシステム
  • 株式会社チャイルド本社
  • 株式会社学研教育みらい
  • ひかりのくに株式会社
  • 株式会社メイト
  • 株式会社ロボット科学教育
  • 株式会社イマージュ

販売代理店によっては商品に対応するテキスト教材も取り扱っており、会社独自のお得なセット商品を販売する場合があります

ネットショップや中古販売の商品はサポート体制やパーツ不足にリスクがある

レゴマインドストームの一部商品はAmazonなどのネットショップやフリマアプリ等の中古販売でも購入できます。

しかし、正規販売店以外から購入した場合、以下のような問題やリスクが生じます。

  • 公式で販売、生産が終了した商品はプレミア価格が付いていて、正規販売価格の倍以上の価格を支払う可能性がある
  • 適切な環境で保管されていない場合、パーツの劣化や動作不良が発生する
  • 認定された販売代理店ではないため、パーツや動作に対するサポート体制がない
  • 使用済みの中古商品の場合、パーツ不足で十分に学習できない可能性がある

特に電子部品が不足した商品を購入すると、肝心のプログラミングができなくなるため、商品内容や状態はよく確認しましょう。

サポート体制やパーツ不足のリスクを防ぎたい場合は、正規販売店で購入するほうが安全です。

初めてプログラミングを行う専用アプリで初期設定が必要である

レゴマインドストームでプログラミングを実行するためには、専用アプリで初期設定を行う必要があります。

  1. 商品に対応するソフトウェアやアプリをデバイスにインストールする
  2. セットの中身を出して仕分けトレイや電子部品に正しいステッカー、ラベルを貼る
  3. レゴブロックを仕分けトレイに分類する
  4. デバイス接続用部品に乾電池を入れる、もしくは充電をして電源を入れる
  5. デバイス接続用部品とデバイスを接続する
  6. アプリ内でプログラミングの初期設定を行い、電子部品の動作確認を行う

動作確認した後は、ロボット等にデバイス接続用部品を組み込んで、プログラミングした動きを反映できます。

レゴマインドストームでプログラミングや実践的な思考力を身に付ける

レゴマインドストームでプログラミングや実践的な思考力を身に付ける

レゴマインドストームの特徴をまとめると、以下のとおりです。

  • レゴマインドストームは生産が終了しており、在庫限りの販売になる
  • 現行商品はEV3の後継であるレゴエデュケーションSPIKEである
  • 遊びの延長線上でSTEAM教育やプログラミング学習を楽しく行える
  • 基本セットが3万円台からで、拡張パーツを含めると5万円前後になる
  • サポート体制やパーツ不足を考えると、ネットショップや中古販売よりも認定された販売代理店からの購入が安全である

レゴマインドストームの名称が付いた商品自体は生産が終了していますが、後継商品でも同じような学習が行えます

学習内容や導入するメリットに魅力を感じた場合は、国内の販売代理店を中心に購入を検討してください。

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