特集記事プログラミング教育に関するお悩みや、今取り組むべきことなどをご紹介。

プログラミング教育最前線

PROGRAMMING EDUCATION

立川市立第八小学校 小学6年生 理科

立川市立第八小学校
小学6年生 理科「電気の利用」

指導者:鳥居 由佳 先生電気を無駄なく使うにはどうしたらよいかを考えよう
教材:レゴ®WeDo2.0 電気の利用 プログラミング学習セット
WeDo2.0+オリジナルスイッチユニット

レゴ®WeDo2.0にオリジナルスイッチユニット(株式会社ナリカ)を組み合わせたプログラミング教材「電気の利用 プログラミング学習セット」。小学校6年生「電気の利用」の単元において、手回し発電機を使ったコンデンサーへの蓄電のほか、オリジナルスイッチを使用することで回路のON-OFFをプログラミングし、制御することができる。

実生活と結びつけながら「電気をつくる、電気をつかう、電気をためる」を学習できる。ブロックを組み替えることで他単元、他教科に活用することもできる。スイッチロボの組み立て方や授業の指導案が同梱されているため、小学校でのプログラミング学習を担当する教員にとっても安心な教材になっている。スイッチロボの組み立てに必要な時間は約10分、組み立てを通して身の回りにある道具がどのような仕組みになっているのかがよく分かるのが特徴だ。

授業前の様子

タブレット、WeDo2.0のセットを事前に積極的に取りに行く様子があった。教室には3〜4名のグループが9グループ総勢35名程度の児童が着席。今日はこれまで学んできた「電気の利用」の授業の仕上げだ。電気は蓄えることで光、動き、音、熱に変換できる。前の授業では動きに変換することを学び、今回はその動きを上手に使うことを学ぶ。計画をつくり、動きをつくり、最後に工夫を発表する。

授業の板書
めあて 電気を上手に使うにはどのように工夫すればよいだろうか?

  1. これまで学習したことの振り返り
  2. 計画づくり
  3. プログラムをつくり動かしてみる
  4. 発表
  5. まとめ
これまで学習したことの振り返りと今日の授業の目的「電気を『上手に使う』とは?」(10分間)
授業風景

本時のめあてを確認しながら、日常生活で電気をどのように使っているか、全員で意見を出しあった。その内容を先生が黒板にまとめていく。「電気を上手に使うにはどのように工夫すればよいでしょうか?」先生が投げ掛ける問い対して児童たちの注目が集まる。

まずは日常のどんな場面で電気が使われているか?テレビ、冷蔵庫、ライト、エアコンなど、身近なものを例に出し、それらをどのように「上手に」活用できるかを考える。テレビを見ていない時は消す、冷蔵庫を開けたままにしない、電気をつけたままにしておかないなどの意見が出た。

出てきた具体的な場面に対して、どのような工夫をすれば「上手」になるのかを考えた。ちょうど校舎が新しくなった同校では、階段の電灯がセンサーで点灯・消灯する仕組みになったことを例に上げた。ほかにも、トイレの電気や、自宅近くの電灯、信号、自動ドアやエスカレーターなど、児童たちの身近にある例をあげ、WeDo2.0を使って同じような仕組みをプログラムできることを示した。今日のポイントは「センサー」だ。どのような条件でどのように動けばよいか、児童にヒントを与えながら、センサーとスイッチを組み合わせ、どのように上手に使えばよいかを考えた。

計画づくり(5分間)
授業風景

各班に配布してあるホワイトボードを使い、どんなプログラムを書くかを試行錯誤する時間。まだタブレット、WeDo2.0は使わず、対話を通して思考をまとめる時間だ。

ホワイトボードにカードを並べ、プログラムを作っていく。それぞれのカードの機能や、最低限必要なプログラムの手順、どこからが工夫するポイントかを確認した。

児童たちは「どんなプログラムにしよう?」「ここ10秒にする?」「あ、◯◯のカード貸して」「これなんだろう?」などの相談を始めることで、主体的、対話的に学びを深めていった。

班ごとに計画ができたタイミングで、ある児童が言った、「これやってみないと分からないね」。これをキッカケに先生が「では、ロボットを動かしてみようか。そうだよね、実際に動かしてみないと分からないよね」と導いた。試行錯誤のできるプログラミング教材の利点が活きる場面だ。単純に繰り返し(ループ)で音声を流し続けるプログラムを考えている班に対して、「さて、今日の授業の目的は電気を上手に使う工夫を考えることですよね」と進むべき方向を先生が調整する場面も。

プログラミングをつくり動かしてみる(15分間)
授業風景

スイッチロボットとタブレットを使って組み立てとプログラミングを進めていく。「まずは実際に考えたとおりにプログラミングをして動かしてみようよ」と班の中の一人が言い、班のメンバーみんなでつくりあげていく協働的な学びの時間となった。

ほかの班の様子も観察したり、真似たり、会話をして、自分たちの班の工夫に反映する様子もみてとれた。「あー、動いた!」と喜ぶ班や、「あれ?この部分、みんなで考えたプログラムの通りじゃないよ」と疑問をもつ班など、お互いが気付いたことを伝えながら試行錯誤を繰り返していた。

先生は児童たちの会話やプログラムの進捗を観察しながら、質問と助言で補助をして回っていたが、先生の指示に頼る児童はあまりおらず、それぞれ班のメンバーや周囲と相談をして工夫しながら自主的に進める様子があった。

発表と改善(10分)
授業風景

タブレットを閉じ発表を聞く状態をつくり、いくつかのチームに対してそれぞれの工夫についての発表を促した。

3班のチームがつくったのはセンサーが感知したときだけライトがつき、離れると消える仕組みだ。ほかにも同じように「離れていくと動作が変わる」というプログラムを活用しつつも、音声を再生させる動きにつなげる班がいるなど個性が光った。いくつかの班の発表を共有したあと、自分たちの工夫に取り入れる時間を追加し、試行錯誤が再度スタートした。

まとめ

考えたプログラムが最初からそのとおりにうまくいった班は少なく、多くの班は試行錯誤を繰り返しながら改善をすることでつくりたいプログラムにたどり着いていた。日常生活においても、計画どおりにうまくはいかなくても、そこから問題を発見し、どう解決したらよいか考え、実行して改善を繰り返すことで前進できることを伝えて授業を終えた。